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更新日:2009年10月19日

2009年賃金確定・年末一時金闘争 第1回対市団体交渉

「2009年賃金確定要求」を申し入れ
市側の誠意ある姿勢と対応を強く求める!
給料月額の減額措置について、
確認事項を踏まえた対応を強く求める

2009年10月16日
大阪市労働組合連合会

 市労連は、10月16日(金)午後3時から三役・常任合同会議、事務折衝、午後4時から闘争委員会を開催し、対市団体交渉を含む2009年賃金確定・年末一時金などについて協議し、午後4時30分から第1回対市団体交渉を行った。

 団体交渉の中で市労連は、「2009年賃金確定要求」を申し入れるとともに、給料月額の減額措置や給与改定、年末一時金問題について交渉当事者としての市側の考え方を示すよう求めた。

 市側から、給料月額の減額措置については、市側提案内容(今年度50億円削減)を上回る75億円の削減を見込んでいるとしながら、「引き続き継続する必要がある」との考えが明らかにされた。

 市労連は、到底理解できるものではないとして、この間の交渉における労使確認事項を誠実に履行するよう強く求めた。

組合 本日は、2009年賃金確定並びに年末一時金について交渉を行いたい。
 市労連は、10月14日に開催した第56回定期大会で「2009年賃金確定要求」を確認したので、先ず冒頭に申し入れたい。
 詳細については、書記長より説明する。

2009年10月16日

大阪市長 平松 邦夫 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 中村 義男

2009年賃金確定要求

 賃金決定基準の改善等の具体要求項目について、大都市事情を反映した制度改善をはかること。
 給与構造改革後の検証を行い、必要な改善措置に取り組むこと。
 技能労務職の給与水準の引き下げなどの改悪を行わないこと。
 給料月額の減額措置については終了すること。

1.給料表
 給料表については、号給カット等の改悪を行わず、他都市・人事院勧告の較差水準を踏まえるとともに、大都市事情を考慮して検討すること。とりわけ、行政職3級相当級の高位号給の切り下げを行わないこと。

2.諸手当
 諸手当については、国・他都市の動向、民間支給状況を見極めつつ、大都市事情を踏まえ検討を行うこと。特に、住居手当については、持ち家のローン償還中加算の廃止を行わず、本市の実情を十分に踏まえた対応を行うこと。さらに、通勤手当については、現行制度(限度額を超える1/2加算)を維持すること。
 地域手当については、本給繰り入れを基本に改善をはかること。

3.初任給基準(中途採用者を含む)については、大都市事情を十分ふまえ検討を行うこと。

4.格付・昇格・昇給基準
(1) 格付基準(臨時期間・前歴の格付基準を含む)の改善・充実をはかること。
(2) 休職者等の昇給抑制者に対する復職時調整の改善をはかること。
(3) 昇格枠とりわけ行政職3級昇格枠の拡大と昇格選考方法の改善をはかること。
(4) 技能労務職3級昇格条件と格付等の改善をはかること。
(5) 行政職4級への格付について改善をはかること。

5.専門職の給料表については、他都市・人事院勧告の較差水準を踏まえつつ、大都市事情を考慮して検討すること。特に、看護師については人材確保の観点から検討すること。
 また、福祉職給料表については国・他都市の動向を注視しつつ、慎重に調査・研究を行うこと。

6.一時金の支給方法の改善をはかること。

7.人事評価制度については、公平・公正性、透明性、客観性、納得性を確保し、組合員の十分な理解が得られるよう改善をはかること。また、給与への反映については、慎重に検討を行い、十分な交渉・合意を行うことを前提として、合意なき一方的な導入を行わないこと。

8.夜間勤務手当及び超過勤務手当(深夜超勤を含む)の支給率の改善をはかること。
 また、時間外労働の割増賃金率等に関する労基法の一部改正にかかる改善をはかること。

9.勤務時間については、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の重要性をふまえ、年間総労働時間の労使合意を前提に年間総労働時間の短縮にとりくむこと。

10.業務上交通事故など、分限にかかる基準(失職規定)の改正をはかること。

11.その他

(1) 職員の福利厚生については、制度設立の意義を踏まえるとともに、地方公務員法42条の使用者責任(義務)に基づいて、労使で構成する福利厚生協議会で十分な検討を行ない、「安心して働き続けることのできる制度の確立」「組合員の働き甲斐」につながる福利厚生制度の確立・充実をはかること。
(2) 休職者の給付内容などの改善をはかること。また、近年の休職者の実態を踏まえ、メンタルヘルス対策の一層の充実をはかること。特に、心の健康の保持・増進の観点から職場における勤務環境の改善をはかること。
(3) 有給教育休暇など休暇制度の新設・改善をはかること。
(4) 60歳定年退職後の生活設計の支援として、希望する職員の雇用確保をはかるとともに、国における65歳定年制の実現に向けた国の動向に注視しつつ、高齢者雇用制度の充実改善を行うこと。
(5) 職業生活と家庭生活の両立支援については、特定事業主行動計画に基づく実効ある推進をはかりつつ、支援制度の充実をはかること。また、両立支援を目的とする休暇・休業制度の検証を行い、勤務環境の整備に取り組むこと。とりわけ、育児休業等に関する法律の一部改正や両立支援策にかかる人事院規則改正に伴う所要の措置を講じること。さらに、男性の取得促進をはかること。
(6) 「育児のための短時間勤務制度」導入に伴う代替要員としての短時間勤務職員制度を導入すること。
(7) 非常勤職員の勤務条件の改善をはかること。

12.実施時期については、労使合意に基づくこととし、労働基本権制約のもとでの生活防衛の観点からも、給料月額の減額措置については終了した上で、使用者責任を全うする大阪市としての主体的な決着をはかること。

以 上

 「2009年賃金確定要求」については以上のとおりである。

 また、既に市労連の確認に基づき各単組から年末一時金「基準月収の3.5月以上・12月10日支給と支給方法の改善」の申し入れを行っているところであるが、本日以降、従来どおり市労連統一交渉によって解決をはかっていくこととする。

 市労連は、3月19日に市長に対し、「2009年統一賃金要求に関する申し入れ」を行い、以降その具体化に向け取り組みを進めてきた。

 8月11日には本年度の国家公務員の賃金改定についての人事院勧告が出され、9月、10月には多くの政令都市で給与勧告が行われており、本市の使用者責任と労使の主体的な交渉によって、2009年賃金の具体化をはかる時期にきていると考える。

 また、9月11日に、大阪市人事委員会は、月例給について、実態給与が民間を3.29%13,449円下回っているものの、制度上の給与が民間を0.29%1,245円上回っているとして、制度値からのマイナス勧告を行うとともに、一時金については、大阪市職員の一時金が民間を上回っているとして、0.35月分の引き下げを行うこととして、夏期一時金で凍結した0.2月分を差し引いて、0.15月分を年末一時金で引き下げるよう勧告を行った。

 本年の大阪市人事委員会勧告について、市労連は民間の実勢を反映したとは言え、度重なる月例給の引き下げが行われ、職員の生活は何ら改善されていない状況にあり、我々の生活防衛の要求に応えたものとは言えず、不満な内容であると既に表明している。

 国・他都市を大幅に上回る連年にわたるマイナス勧告により、度重なる月例給の引き下げが行われ、職員の生活実態は実質生活の切り下げを余儀なくされ極めて厳しい状況にあり、生活防衛を求める職員の思いは日々強まっており、職員の士気と勤務意欲などの維持・向上に向けた使用者責任を果たすことが求められている。

 このような状況の下で、賃金・労働条件について労使での自主的・主体的な交渉合意が欠かせないものと考えている。

 また、そのためには、本日申し入れた内容を踏まえた市側の主体的な努力と誠意ある対応がなければ解決をはかることができないと考えている。

 まず、市側に対して、給与改定交渉及び年末一時金について、交渉当事者としての責任ある対応と考え方を示されるようを求める。

 その上で、先ほど申し入れた2009年賃金確定要求にも掲げているが、本年4月から実施の給料月額の減額措置に関わって市側認識を確認したい。

 経費削減にかかる給料月額の減額措置については、市労連として、2009年1月9日以降、市労連常任委員会による小委員会交渉を積み重ね、2月3日の団体交渉において、「2009年大阪市人事委員会勧告において、職員の給与水準に変動をきたす勧告がなされた場合は、改めて交渉を行う」ことなどの確認を行った上で、修正された「給料月額の減額措置について」の市側提案を、今日時点での市側提案であるとして単組討議に付すこととしてきた。

 結果、本年4月より、組合員ベースでは本給月額の3.8%カット、管理職層については5%カットが実施されている。

 また、5月11日に大阪市人事委員会は、市長と市会議長に対して夏期一時金の支払いを0.2月分凍結するよう「意見の申出」を行い、これを受けて市側は、5月19日の団体交渉において、「夏期一時金を0.2月分凍結する」との回答を行った。

 その際、市労連としては、「『0.2月分凍結』の今後の取り扱い及び本年4月からの経費削減にかかる給料月額の減額措置に関わっての取り扱いについて、改めて2009年の勧告以降秋の確定交渉の際合意を得るべく、誠意をもって協議を行う」との市側の考え方を確認し、単組討議に付すこととしてきた。

 この結果、夏期一時金は本制度としては2.15月分を原資としているものの、凍結分0.2月を差し引いて1.95月分を原資として支払われたところである。

 このような給与支払いの実態がある中で、9月11日大阪市人事委員会は、月例給について、実態給与が民間を3.29%13,449円下回っているものの、制度上の給与が民間を0.29%1,245円上回っているとして、制度値からのマイナス勧告を行うとともに、制度上の給料表をさらなるフラット化を伴って引き下げるよう求めてきた。

 また一時金については、大阪市職員の一時金が民間を上回っているとして、0.35月分の引き下げを行うこととして、夏期一時金で凍結した0.2月分を差し引いて、0.15月分を年末一時金で引き下げるよう勧告を行った。

 市側から、給料カットと夏期一時金の凍結による影響や、仮に本年の公民較差に基づく給与改定を行った場合の影響について、資料が示されている。

 これによれば、本年4月からの給料月額の減額を提案した際、対20年度比50億円の削減を想定していたものが、公民較差に基づく給与改定を行った場合、本年11月をもって給料月額の減額措置を終了したとして対20年度比75億円の削減が達成されるとなっている。

 具体には、20年度給与改定に伴う影響として10億円。
 本年4月から11月までの給料カットの影響として26億円。
 一時金の支給月数の減に伴う影響として夏期21億円と年末16億円。

 本年の公民較差に基づく給与改定の影響として2億円。これは、カットを行っているために減額調整は行わないものの、改定以降の12月から3月までの月例給と年末一時金に及ぶ影響の合計6.2月分の影響として算出されている。
 これらの合計額が75億円とされている。

 給料月額の減額にかかる交渉の中で、50億円の削減が必要との市側提案からすれば、2009年度の単年度では一般会計一部ベースのみでも25億円分が過剰な減額であり、行政職全体・市労連ベースではさらに大幅な減額となると考えざるを得ない。

 これは、2月の交渉で協力すべきは協力する立場で暫定的に判断してきた内容をはるかに上回るものであり、その結果組合員は2月時点の見通しからさらに大幅に苦しい生活実態におかれている。

 今後の交渉において、大阪市職員の実態支給の給与のラスパイレス比較も明らかにするよう求めるが、市の財政状況に対して組合員は既に十二分の協力を行っており、大阪市人事委員会も職員の実態給与は民間を13,449円下回っていることを明らかにしている。

 この間の経過からすれば、一般会計一部ベースのみでも25億円に相当する額の清算は当然と考えるところである。

 市労連は、2009年確定交渉については、5月19日に市側と確認した「『0.2月分凍結』の今後の取り扱い及び本年4月からの経費削減にかかる給料月額の減額措置に関わっての取り扱いについて、改めて2009年の勧告以降秋の確定交渉の際合意を得るべく、誠意をもって協議を行う」ことを踏まえた市側の誠実な対応を強く求め取り組みを進めることとしている。

 先程、本年の給与改定交渉と年末一時金についての市側の考え方を示すよう求めたが、ただ今の点も含めて、市側の認識を質したい。

市側 本年度の給与改定については、去る3月19日に皆様方から「賃金要求に関する申し入れ」を受けたが、その後、8月11日に国家公務員に対する人事院勧告が出され、9月11日には本市人事委員会より「職員の給与に関する報告及び勧告」を受けたところである。

 また、年末手当についてはこの間、各単組から申し入れを受けてきたところである。

 ご承知のとおり、本市の財政状況については、昨年10月に公表された「中期的な財政収支概算」の今後10年間の収支概算では、これまでの「市政改革の取組み」の継続や不用地売却などの歳入確保などにより、平成29年度には概ね収支が均衡する見通しであったが、本年7月に公表された中期収支概算においては、これまでの「市政改革の取組み」を計画通り達成しても、このままでは国の管理下となる見通しで、非常に危機的な財政状況になっている。

 また、平成20年度普通会計決算見込額では、市税収入が減少するなか、引き続き市政改革に取り組み、とりわけ人件費においては新規職員の採用凍結などにより9年連続の減少となるなど歳出削減につとめた結果、地方公共団体の財政構造の弾力性を判断するための指標である経常収支比率は前年比でマイナス0.7ポイント改善したものの、依然として99.2%と高水準にとどまるなど、本市を取り巻く状況は以前にも増して一層厳しいものとなっている。

 さらに、本市人事委員会からは、公民比較において、月例給については、減額措置前の職員給与が民間給与を1,245円、0.29%上回っているとの報告がなされ、次の内容の勧告を受けたところである。

 まず、公民較差を解消するための月例給の引き下げとして、給料表の引き下げと管理職手当の各職一律1,000円引き下げを行うこととされており、給料表については、昇給カーブのさらなるフラット化をはかるための具体的な改定方法について、昨年と同様の言及がなされたところである。

 次に、期末・勤勉手当についてであるが、「現行の年間支給月数4.5月分を0.35月分引き下げ、4.15月分とする必要がある。」とされ、去る5月11日の本市人事委員会からの意見の申出に基づき支給を凍結した0.2月分は支給せず、12月期の期末・勤勉手当から0.15月分を差し引く必要があるとされているとともに、本年12月期以降の期末・勤勉手当の支給割合について、具体的な勧告がなされているところである。

 また、平成21年4月1日からの年間における公民給与を均衡させるため、医療職給料表(1)適用の職員及び給与減額措置が実施されている職員を除き、所要の調整措置を行う必要があるとされている。

 さらに、平成22年4月から実施する改定として、行政職給料表3級の最高号給付近の給与水準を引き下げるため、2年程度の期間内において段階的に20号給カットすることとされているが、平成22年4月においては8号給カットすることとされている。

 また、住居手当の持ち家にかかる手当のうち、いわゆるローン償還中の加算制度を廃止することとされているところである。

 以上が勧告の内容である。

 また、民間給与との比較種目でないことから意見として述べられているが、通勤手当の1箇月当たりの手当額が55,000円を超える場合において、その超える部分の2分の1を加算する措置については廃止することが適当であるとの言及がなされている。

 本年度の給与改定等の取り扱いについては、本市人事委員会からの報告及び勧告を受けて以降、鋭意分析・検討を行ってきたところであるが、私どもとしては、人事委員会からの勧告等を尊重し、給与改定を行ってまいりたいと考えている。

 次に継続協議の課題である。

 勤勉手当については扶養手当を基礎額から除き、それにより生じる原資については上位区分の支給月数に配分することについて、ご理解賜るべく協議してまいりたいと考えている。

 また、昇給制度における成績区分について、下位の区分を増設することについても、ご理解賜るべく協議してまいりたいと考えている。

 最後に、給料月額の減額措置について、本年4月以降協力をいただいていることに対し、誠に感謝しているところであり、まずお礼申し上げる。

 給料月額の減額措置については2月3日の交渉において、本年の人事委員会勧告により、職員の給与水準に変動を来たす勧告がなされた場合は、改めて交渉を行うこととし、先程申し上げたとおり9月11日に人事委員会から勧告を受けたところである。

 また、先程述べられたが、人事委員会勧告どおりの給与改定を行った場合、給料月額の減額措置を終了したとしても、平成20年度予算に対し、一般会計第1部ベースで約75億円の削減となることを見込んではいるが、先程申し上げたとおり、本市を取り巻く情勢は非常に厳しいものがあり、とりわけ、財政状況については、非常に危機的な状況にある。

 このような状況を踏まえると、我々としては、引き続き給料月額の減額措置を継続していく必要があると考えており、今後、ご理解賜るべく、精力的に協議してまいりたいと考えているので、よろしくお願いする。

 いずれにしても本日要求を受けたところであり、今後、精力的に交渉・協議を尽くし、早急に回答をお示ししていきたいと考えているのでよろしくお願いしたい。

組合 ただ今、市側から今年度の賃金確定を取りまく情勢について、とりわけ「このままでは国の管理下となる見通し」との本市の厳しい財政状況について触れられるとともに、本市人事委員会勧告に関わって「本年度については人事委員会からの勧告を尊重し、給与改定を行ってまいりたい」として、公民較差のマイナス0.29%に基づく給料表のマイナス改定について言及されたが、国・他都市を大幅に上回る連年にわたるマイナス勧告により、度重なる月例給の引き下げが行われ、実質生活の切り下げを余儀なくされてきた職員の生活実態からして極めて不満な内容であることをまず指摘せざるを得ない。

 また、昇給カーブのフラット化についても言及されているが、これまで給与改定・賃金確定交渉は、人事委員会の公民較差の報告・勧告を受けて、比較給与項目の範囲において労使が交渉を行い、改定すべき給与項目を交渉合意しながら、必要に応じて給料表改定交渉を行ってきたところである。

 給料表勧告を行っていない人事委員会が、労使交渉事項である給料表の改定手法を具体的に言及することには問題があると言わざるを得ない。

 さらに、「平成22年4月から実施する改定」として、行政職3級の最高号給付近の給与水準を引き下げるための号給カットや、住居手当の持ち家にかかるローン償還中の加算制度の廃止や、通勤手当の限度額を超える2分の1加算の廃止などについても言及された。

 給料表の各級号給数についても、従来、永年職務に精励してきた職員・組合員の構成人員を労使が確認しながら、号給延長を重ねてきた経過となっており、労使交渉事項である給料表の号給数に言及し、切り下げを勧告することには問題があるといわざるを得ない。

 特に、当該行政職3級相当級には多数の職員が存在しており、2010年4月以降8号給さらに2011年4月12号給の切り下げを行えば、各年度1月の標準昇給を見込んだ場合、2010年4月以降に現給保障となる職員は行政職で60人、2011年4月では200人を超えることとなる。

 また、現給保障とならずに将来切り下げられた最高号給で頭打ちとなる職員を含めると500人を超える職員に影響を及ぼすことが想定され、働き甲斐を失わせるものと言わざるを得ない。

 さらに、2010年4月から住居手当のローン償還中加算を廃止するとしているが、住居手当は比較給与項目であり、住居手当の一部を廃止するのであれば、少なくとも他の比較給与項目を増額しなければならないにも関わらず、住居手当の一部廃止のみを行うことは、公民較差に関わらず職員給与を引き下げることであり、結果として給与勧告制度を捻じ曲げる給与水準の引き下げと言わざるを得ない。

 市労連としては、「21年4月の公民較差に基づく改定」は、給与勧告制度を踏まえた勧告であり、賃金確定によって公民給与水準が均衡することとなるとの認識に立つところである。

 しかし、「その他の改定」として給料表の号給カットや住居手当を2010年4月から改定することとなれば、何らの根拠も無く公民給与の均衡を崩すことに他ならないとの認識を持つものであり、人事委員会の権能として、民間などの急激な情勢変化に対しては、随時に勧告を行うことが認められているが、何らの根拠も無く任意に勧告することが認められるものではなく、労働基本権制約の代償措置としての給与勧告制度上重大な問題であると言わざるを得ない。

 既に、市労連として、大阪市人事委員会に対して、行政職給料表3級最高号給の切り下げ、住居手当のローン償還加算の廃止、通勤手当の2分の1加算の廃止等に係る人事委員会の言及については無効なものであることを指摘し、抗議してきたところであり、先ほど、「本年度の給与改定等の取り扱いについては、本市人事委員会からの報告及び勧告を受けて以降、鋭意分析・検討を行ってきた」として、「人事委員会からの勧告等を尊重し、給与改定を行ってまいりたいと考えている」との市側の考え方が示されたが、このような賃金労働条件の変更については、あくまでも労使の交渉による合意が基本であることを敢えて申し上げておく。

 また、継続課題として、「扶養手当の勤勉基礎額への算入廃止」と「昇給制度における成績下位区分の増設」について言及された。

 市労連として、市側提案があり、給与構造改革にかかる課題として小委員会交渉において交渉してきた経過もあり、継続課題としての認識を持っているところであるが、厳しい生活実態におかれている組合員の状況や、他都市の状況も十分踏まえて、市側の誠意ある十分な協議が必要であることを申し上げておく。

 改めて、今後の交渉を進めるにあたり、市労連として組合員の置かれた厳しい生活実態の改善を求める立場から、市側の使用者責任を求めるとともに、これら賃金確定・年末一時金などについては、これまでの労使協議の経緯を踏まえた市側の主体的な努力と市側の誠意あるかつ組合員の生活実態を十分踏まえた対応を強く求めておく。

 また、「給料月額の減額措置」について、市側から、「人事委員会勧告どおりの給与改定を行った場合、給料月額の減額措置を終了したとしても、平成20年度予算に対し、一般会計第1部ベースで約75億円の削減となることを見込んではいるが」「本市を取り巻く情勢は非常に厳しいものがあり、とりわけ、財政状況については、非常に危機的な状況にある」として、「引き続き給料月額の減額措置を継続していく必要があると考えて」いる、「今後、ご理解賜るべく、精力的に協議してまいりたい」との考え方が示されたが、理解も納得も得られるものではない。強い憤りを感じるところである。

 この間の重たい交渉経過をどう認識しているのか。

 我々は、昨年12月に市側提案がされて以降、協力すべきは協力するとの立場で、団体交渉・小委員会交渉に臨み、組合員に大きな負担となる判断を行ってきたところである。

 まずは、我々と確認してきた事項を市として誠実に履行することが2009年確定の問題解決につながることを申し上げておく。

 市側の誠意ある姿勢と努力を求めるとともに、早急に具体回答を示されるよう強く要請する。

市側 ただ今、本年の本市人事委員会勧告等に対する市労連としての考え方が述べられたが、私どもとしても、給与等勤務条件については皆様方の合意を得ることが重要であると認識している。

 また、給料月額の減額措置について、非常に厳しい指摘を頂戴したが、給与改定、年末手当の課題と併せ、皆様方のご理解を賜るべく精力的に交渉・協議してまいりたいと考えているので本日のところはよろしくお願いしたい。

組合 ただ今、市側から、給与等勤務条件については合意を得ることが重要であるとの認識が示された。

 しかし、給料月額の減額措置については、「非常に厳しい指摘を頂戴したが、給与改定、年末手当の課題と併せ、皆様方のご理解を賜るべく精力的に交渉・協議してまいりたい」との考え方が示されたが、理解できるものではない。

 市労連としては、厳しい生活実態におかれている組合員の状況や他都市の状況も踏まえて、市側の誠意ある十分な協議が必要であると認識している。

 いずれにしても、市労連としては、組合員の置かれた厳しい生活実態の改善を求める立場から、市側の使用者責任を求めるとともに、これら賃金確定・年末一時金などについては、これまでの労使協議の経緯を踏まえた市側の誠意ある対応がなければ、解決をはかることができないと考えている。

 とりわけ、給料月額の減額措置に関わっては、労使で確認した「『0.2月分凍結』の今後の取り扱い及び本年4月からの経費削減にかかる給料月額の減額措置に関わっての取り扱いについて、改めて2009年の勧告以降、秋の確定交渉の際、合意を得るべく誠意をもって協議を行う」ことを踏まえた市側の誠実な対応を重ねて強く求めておく。

 今後の交渉を進めるにあたり、市側として、組合員の勤労意欲と家族の生活を考えあわせ、賃金確定・年末一時金について、本日申し入れた内容を十分踏まえ、使用者としての主体性を堅持し、誠意をもって検討されるよう、重ねて強く求めておく。

以 上

 

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