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更新日:2013年4月22日

2013年統一賃金要求対市人事委員会申し入れ

総務省の引き下げ圧力に屈することなく、中立・第三者機関としての使命を果たすよう求める。

 市労連は、4月17日(水)、午後5時30分から市人事委員会に対して、以下の「2013年統一賃金要求に関する申し入れ」を行った。

 申し入れに際し、市労連は、財政悪化を理由とした連年の給与カットや、昨年8月の「給与制度改革」で給与水準が大幅に引き下げられていること等を指摘し、国家公務員に準じた給与カットを求めた政府の対応に対し、中立・第三者機関としての役割と責務を果たすよう求めた。

組合 それでは、ただ今より、2013年統一賃金要求を申し入れる。

 なお、具体的な内容については、書記長より説明する。

2012年4月17日

大阪市人事委員会
委員長 西村 捷三 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 上谷 高正

2013年統一賃金要求に関する申し入れ

 貴人事委員会におかれては、常日頃から私ども大阪市職員の賃金を中心とした勤務・労働条件の改善に尽力されていることに敬意を表します。

 さて、市労連は、昨年11月7日に大都市労連連絡協議会として、大都市人事委員会連絡協議会課長会議に対し、勧告(報告)の準備作業にあたり「大都市の諸事情が十分反映されたものになるよう」申し入れを行い、本年2月8日には、公務員連絡会を通じて、全国人事委員会連合会に対し、「地方公務員法に則り、民間賃金実態を精確に把握し、地方公務員の生活を維持・改善するための賃金水準を確保すること」などの要求書を提出しました。

 加えて、3月6日には、大都市労連連絡協議会として、春闘期の要求として大都市人事主管者会議に対し、「2013年賃金引き上げ・労働条件改善に関する要求書」も提出してきました。

 この間大阪市においては、2009年度から財政悪化を理由とした給料カットが継続され、特に昨年4月からは平均7.2%の給料カットが実施されてきています。加えて、昨年8月には労使合意なく「給与制度改革」が実施され、大幅な給料水準引下げや、持ち家にかかる住居手当が廃止されました。このような事態は、労働基本権の代償措置である人事委員会勧告制度を空洞化させるものと言わざるを得ません。

 一方、地方公務員給与を巡って、本年1月28日に総務大臣が、地方公務員給与について国に準じた必要な措置を講じるよう要請したことは、地方自治への介入と言わざるを得ない由々しき事態であり、貴人事委員会として、政治的・社会的圧力が一層強まる中での作業となりますが、あらためて、中立・第三者機関としての人事委員会の責任が問われていると認識しています。

 貴職におかれましては、精確な公民比較調査を行うとともに、その主体性と役割を十二分に果たされることを強く求めます。

 その上に立って、以下の2013年統一賃金要求を申し入れますので、要求事項の実現に向け最大限の努力を払われるよう要請します。

1 人事委員会が地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置として設立されている趣旨を踏まえ、勧告に際しては、労使合意事項、労使交渉の経過、組合の意見を十分尊重すること。

2 勧告内容にかかわる政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、中立・第三者機関としての立場を堅持し、公平・公正な立場で作業を進めること。

3 勧告にあたり、地公法第24条第3項に規定する給与基準を考慮する場合、大都市における生活事情を正確に把握し、反映すること。その上で、給料表作成に関わる内容は労使交渉による決定事項であり、具体的中身に踏み込まないこと。

4 民間給与実態調査及び公民給与の比較を行う場合は、合理的な方法を採るよう努めるとともに、下記の内容を踏まえて改善すること。

(1) 調査対象企業規模50人以上とした比較方法を改め、少なくとも以前の調査対象企業規模に戻すこと。また、団体交渉によって賃金、労働条件を決定している事業所を対象とし、「会社更生法等の適用企業」は調査対象から除外すること。

(2) 比較対象職種は、国及び地方自治体の基幹職種である行政職(一)表関係業種とすること。

(3) 比較給与の範囲は、原則として公務員の基本給に相当する給与とすること。

(4) 比較にあたっては、年齢だけでなく経験年数を加味すること。

(5) 精確な公民較差を算出するため、春季賃金改定状況を把握した上で、積み残し事業所を追加調査し、追加較差を算出すること。

(6) 特別給については、調査・比較方法を改め、公民同一基準による精確な月数算定を行うこと。

5 新たな高齢者雇用制度の確立にあたっては、年金と雇用の確実な接続と生活できる給与水準を保障すること。特に、段階的定年延長が実現するまでの間は、再任用制度義務化による制度設計が急務であり、60歳以降も安心して働きつづけることができる雇用環境整備のため、本市の業務実態を十分ふまえた制度となるよう具体的に勧告すること。

6 昨年8月の給与制度改革に伴う大幅な給与水準見直しに関し、是正に向けた踏み込んだ対応を求めるとともに、勧告制度とは別個で行われている給料カットについて中止するよう勧告すること。また、50歳台後半層における昇給制度について、国とは異なる地方自治体の実態を踏まえ、人事院の動きに安易に追随せず、慎重に対処すること。

7 諸手当について、とりわけ住居手当は、地方公務員の住宅制度や大都市特有の住宅事情を踏まえた住居手当制度を確立するとともに、持ち家にかかる手当の精緻な調査を行うこと。また、地域手当については、本給繰り入れを基本に改善すること。

8 非正規労働者の増加が社会問題化する中、臨時・非常勤職員の処遇改善に関して、人事委員会として問題認識を持ち、可能な対応を図ること。

9 年間総労働時間1800時間を早期に達成するため、実効性ある超過勤務規制のための施策推進や年次有給休暇の取得促進、業務量に見合う人員確保策など、時間短縮に向けた具体的な方策を示すよう努めること。

10 女性の労働権確立、男女共同参画社会の実現に向け、仕事と家庭の両立支援策の充実が求められており、「次世代育成支援対策推進法」の行動計画の着実な実施に向けた対策を行うこと。

11 福利厚生について、各種制度、各種施設、支給などの実態を調査し、地公法42条の趣旨に適う制度構築に努めること。

12 私たちの意向を反映し、早期勧告に向けて努力すること。

以 上

 申し入れにあたって改めて指摘をしておく。

 大都市労連連絡協議会は、4月11日に大都市人事委員会連絡協議会に対して申し入れを行い、総務省からの地方公務員給与引き下げ圧力に関して、「従前にも増して人事委員会の使命と責務を十分認識され、要求事項の実現に向け最大限の努力を払われるよう」申し入れている。

 市労連は、労働基本権制約の代償措置としての人事委員会勧告が、現行の公務員の賃金、労働条件決定制度である限り、それを機能させ、社会経済情勢の変化に対応した公務員処遇を確保することが、人事委員会としての使命であると考えている。

 しかしながら、この間の人事委員会勧告では、勤務労働条件にかかわる具体的な課題にまで踏み込み、労使交渉を制約する内容の勧告が行われたことや、2009(平成21)年度から、勧告制度とは別個で行われている給料月額の減額措置に関しても、中止する勧告を行わなかったことなど、貴人事委員会の対応は問題があると認識している。

 人事委員会勧告制度が、公務員労働者の労働基本権制約の代償措置として実質的に公務員の賃金を規定していることを鑑み、大都市に働く職員の置かれている生活実態を十分精査され、貴人事委員会としての調査と作業が進んでいく過程で、市労連との連携を十分にはかりながら進めていただくよう求める。

監査・人事制度事務総括局 ただ今、2013年統一賃金要求に関する申し入れを受けたところである。

 人事委員会は、地方公務員法により、職員の勤務条件が社会一般の情勢に適応するよう勧告を行う機能を与えられており、本市給与勧告を行うにあたっては、これまでも、民間給与の実態を精確に把握するとともに、国・他都市の動向等を踏まえ、中立的な第三者機関としての役割を果たしてきているところである。

 いずれにしても、本日は申し入れを受けたところであり、内容等については、人事委員会に報告させていただく。

以 上

 

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