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更新日:2014年9月16日

大阪市人事委員会交渉

【市人事委員会】
月例給・一時金とも民間が公務を上回る状況
保育士や技能職員の給与水準にも言及

【市労連】
国に追随した「給与制度の総合的見直し」は認められない!
減額措置に対して、是正する勧告を行うよう求める!

 市労連は、9月16日(火)午前11時から三役・常任合同会議を開催し、9月3日に行った大阪市人事委員会への申し入れ以降の対応などについて協議し、同日午後5時から大阪市人事委員会委員長以下と、現在の進捗状況と勧告の見通しなどに関し交渉を行った。

 交渉の中で人事委員会から、大阪における所定内給与が昨年より若干減少しているものの、大阪府総合労働事務所が発表した賃上げ状況は前年を上回る状況との説明があり、月例給、一時金については民間が公務を上回る見込みであることを表明し、本年の給与改定について「主として給料表の引上げ改定について言及することを考えている」ことが示された。さらに、国における「給与制度の総合的見直し」を踏まえた検討の必要性や、保育士、幼稚園教員及び技能職員の給与水準についても公務と民間の給与水準の状況等について示すことなどが表明された。

 市労連は、月例給、一時金の考え方については、「現時点における人事委員会が示した内容は当然のこととして受け止める」ことを表明。安易に国に追随した「給与制度の総合的の見直し」は容認できないとし、大阪市の実情と働く職員の生活実態を十二分に踏まえ、主体的な判断の下、対処するよう求めた。

 また、民間給与実態調査での給与データのうち5%(上下2.5%)を公民比較の対象から除外する「大阪市独自の比較方法については、即時やめるべき」と人事委員会の姿勢を質すとともに、直ちに従前の手法に改めることを強く求めた。保育士や技能職員の給与水準について、条例に縛られることなく、他都市等の状況も把握した上で、適切かつ慎重に対処されるよう求めた。

 最後に人事委員会から、勧告時期については9月第4週を予定していることが表明された。

組合 市労連は8月7日に人事院勧告が行われたのを受けて、大阪市給与勧告の集約段階を迎えている貴人事委員会に対して、9月3日に「私たちの要求の主旨を受け止め、さらに、中立機関としての独立性を堅持しつつその職責をはたされるよう」要請してきたところである。

 また、大都市協においても、8月20日に、大人連の事務局長会議に、8月28日には、大都市人事主管者会議に対して申し入れを行うなど活発な取り組みが続けられていることについても申し添えておく。

 この間繰り返し申し上げてきたが、大阪市においては2012年の給与制度改革、さらに本年4月以降も平均7.2%の給料カットの継続実施と、昨年の勧告に基づく大幅な給料表改定が行われるなど、大阪市に働く組合員の生活実態は、危機的な状況である。こうした幾重の給与削減により、私たちの賃金が民間水準以下に抑制されている事実を人事委員会として追認することなく、是正に向け大阪市に対して勧告すべきと、再三にわたり私たちの考えを申し上げてきた。人事委員会として本来あるべき立場を踏まえ、毅然とした態度で、減額措置に対する中止勧告を行うことをあらためて求めておく。

 地方公務員の給与決定は、言うまでもなく、地公法第24条第3項の主旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるべきであり、労働基本権の代償機関である人事委員会として、その機能を一層果たされるよう要請するとともに、職員の生活実態を十分考慮して作業を進め、私たち組合員の切実な要求に応えるよう最大限の努力を求めておく。

 その上で、前回申し入れ以降の作業の進捗状況、さらに「勧告」の見通し、本年の作業の進捗状況について、現時点での較差や一時金の傾向を明らかにされたい。

人事委員会 作業の進捗状況については、この間、本市職員と民間企業従業員との双方の給与の実態及び人事院勧告の内容について、鋭意分析・検討を進めてまいったところであり、現在は、大詰めの段階を迎えている。

 民間給与実態調査を行った時点での厚生労働省の毎月勤労統計調査では、大阪では所定内給与は昨年より若干減少しているものの、大阪府総合労働事務所が発表した本年の賃上げ状況は前年を上回る状況がみられたところである。

 公民較差及び一時金の傾向については、月例給は、民間の賃上げ状況や昨年の本委員会の勧告に基づく給与改定が実施されたこと等が反映され、民間が公務を上回る見込みである。一時金等の特別給についても、年間の支給月数は、民間が公務を上回っていると見込んでいる。

 勧告の見通しとしては、これら民間の情勢や給与勧告の意義等を総合的に勘案したところ、職員給与を民間給与と均衡した水準とするには、月例給及び特別給の引上げ改定が必要と見込まれる。給与制度は職員の勤務条件の中でも基本となるものであり、本委員会としても、職務給の原則や均衡の原則といった地方公務員法に定められた給与決定の諸原則の観点から研究検討を行い、また、公民比較のあり方や賃金構造基本統計調査の結果等についても研究・検証してきたところであり、人事委員会の機能発揮・説明責任の観点から、改定内容について具体的に言及する必要があると考えている。

 本年の給与改定については、公民較差の状況等を勘案し、主として給料表の引上げ改定について言及することを考えている。

 給与制度等に関する課題等として、給料表の構造及び地域手当について、国における給与制度の総合的見直しを踏まえた検討の必要性について言及することを考えている。また昇給制度の在り方について、国や他都市の状況、民間の傾向等も考慮の上、検討していく必要があると考えている。その他、国における改定状況を踏まえ諸手当に関する検討の必要性について言及することを考えている。

 また、高齢期における職員の活用として、主に再任用職員の人事・給与制度等の在り方について言及する必要があると考えているほか、保育士、幼稚園教員及び技能労務職員の給与水準についても公務と民間の給与水準の状況等について示すことを考えている。その他、超過勤務の縮減、両立支援の推進、メンタルヘルス対策の推進、パワーハラスメント防止の取組などについても言及することを考えている。

 なお、昨年まで給与報告・勧告において言及していた人材の確保・育成、複線型人事制度等についてはより深く研究・検討していく必要があると考えており、通常の給与報告・勧告実施後、改めて結論を得るべく努めているところである。

組合 ただ今人事委員会から、本年の較差について、とりわけ月例給については、「民間の賃上げ状況や昨年の勧告に基づく給与改定が実施されたこと等が反映され、民間が公務を上回る見込みである」との認識と、「一時金等の特別給についても、年間の支給月数は、民間が公務を上回っていると見込んでいる」との考えが示された。市労連として現時点における人事委員会から示された内容は当然のこととして受け止める。組合員の期待も非常に大きいことから、あらためて、大阪市に働く職員の生活実態を十分に踏まえた勧告を行うよう求めておく。

 さらに、人事委員会から、「国における給与制度の総合的見直しを踏まえた検討の必要性について言及する」ことが示された。先日の申し入れでも要請したが、人事院が勧告した「給与制度の総合的見直し」について人事委員会は、前回の交渉でも「職務給の原則や均衡の原則等、地方公務員法に定められた給与決定の諸原則に基づき、本市の給与制度が適正なものになるよう、本市の給与制度や水準、国の制度見直しを踏まえて検討をする」ことを明らかにしたが、安易に国に追随した制度見直しは容認できるものでない。繰り返しになるが、国の総合的見直しは、本府省、管理・幹部職員の処遇の確保と認識するものであり、以外の国家公務員並びに地方公務員の給与水準引き下げを狙ったものであることから到底認められるものでない。人事委員会として大阪市の実情と働く職員の生活実態を十二分に踏まえ、慎重かつ適切な取り扱いの上、主体的な判断の下、対処されるよう強く求めておく。

 大阪市における給与制度等に関しては、労使合意なき給与水準の引き下げにより各級の最高号給が大幅にカットされ、多くの組合員が最高号給の適用を受けていることから、組合員のモチベーション低下は日々進行しているといっても過言ではない。また、人事委員会は7月28日、市長からの依頼に基づき管理職手当の支給の是非について、調査検討を行った内容について「現行の取り扱いについて再考する必要がある」との報告を行ったが、手当の存続はモチベーションの観点から非常に重要で、長年の経過と実績から鑑みると、報告にあるように単純化されるべきでないと認識しており、慎重な議論が必要であると考える。組合員の働き甲斐やモチベーション向上をはかることは、市政運営においても重要であることから、職員・組合員が働き甲斐を保ち続けるよう、給与制度のみならず人事・給与制度全体にかかわる制度として確立させるため、昇給に至る人事・給与制度全般をつぶさに検証し、人事委員会として積極的で主体的な姿勢で取り組むことを強く要請しておく。

 さらに昨年から、民間給与実態調査での給与データのうち上下2.5%ずつ、あわせて5%を公民比較の対象から除外して公民比較を行ったことについて、昨年の交渉の際にも指摘をしたが、このような大阪市独自の比較方法については、即刻やめるべきである。市民の信頼を得るためと言われるが、人事委員会が意図的に給与水準引き下げを行うものと言っても過言ではない。人事委員会の機能が労働基本権制約の代償機関としてあり、専門的・中立的立場であることを踏まえるならば、いかなる外圧からの影響も受けるべきでない。調査データの活用方法と公民比較について、直ちに従前の手法にあらためることを強く求めるとともに、大都市における精確な官民給与比較と、大阪市に働く組合員の生活実態を踏まえた報告と勧告を行うよう要請する。

 高齢期職員の雇用確保・再任用に関する課題については、今年の人事院の報告からも、年金支給開始年齢が62歳となるときまでに定年年齢の引き上げを開始していくことの重要性や必要性が明らかになっている。また、再任用者の給与について人事院は、閣議決定で「再任用職員の今後の職務や働き方の実情等を踏まえ、給与制度上の措置について必要な検討を行うよう」要請されたことのみを報告している。市労連として、言うまでもなく、公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられたことから、雇用と年金の接続は官民共通の避けて通れない重要な課題であり、貴人事委員会の姿勢と対応は、私たちの60歳以降の働き方に大きく影響することとなることから、給与水準も含め定年後も安心して働き続けることができる雇用環境の整備に向け、最大限の努力を要請しておく。

 さらに前回、申し入れの際にも申し上げたが、保育士及び幼稚園教員並びに技能職員の給与については、これまでの経緯を踏まえた対応と主体的な判断の下、中立で公平な第三者機関としての責務に努められるよう強く要請しておく。最後に、「賃金構造基本統計調査の活用方法」についても触れられたが、1年遅れの公表であることや同種同等の原則による比較ができない等、当該調査データの精度そのものについては、人事委員会自らも問題視してきたはずである。そうしたことから、賃金構造基本統計調査を活用すること自体に問題があると認識している。条例に縛られることなく、また、他都市等の状況も把握した上で、適切かつ慎重に対処されるよう要請する。

 また、人事委員会より「昨年まで給与報告・勧告において言及していた人材の確保・育成、複線型人事制度等についてはより深く研究・検討していく必要があると考えており、通常の給与報告・勧告実施後、改めて結論を得るべく努めているところである。」と述べられた。とりわけ、人材の育成に関しては、昨年の勧告において、人事評価が有効な活用であると言われたが、大阪市においては現在、相対評価による人事評価が実施されている。再三申し上げてきたことであるが、相対評価は公務にはなじまない制度であり、人材育成のための制度とは言えるものでない。職員・組合員の納得性はもとより、モチベーション向上につながる制度の改善に向け、人事委員会として一層の努力を払われるよう要請しておく。複線型人事制度についても述べられたが、この間われわれが求めている、「組合員が働きがいとやりがいを持てる人事・給与制度の確立」となるよう求めておく。

 この間繰り返し申し上げてきたが、給料カットの継続については、人事委員会として、追認するのでなく、大阪市に対して、是正する勧告を行うことをあらためて要請しておく。

 以上、本年の勧告を目前に控え、市労連としての考え方などについて率直に申し上げた。私たちを取り巻く環境が引き続き厳しいことは認識しているが、市政の発展と市民サービス向上のため、日夜を問わず懸命に働く組合員の思いを十分に受け止めた勧告を行うよう重ねて要請しておく。

 最後になるが、本年の具体的な勧告日についてお聞かせいただきたい。

人事委員会 勧告時期については、9月第4週を予定している。

 また、本日お聞きした内容等については、他の委員にも報告させていただく。

以 上

 

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