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更新日:2016年9月23日

2016年大阪市人事委員会報告及び勧告

【市人事委員会】
月例給及び一時金の引き上げを勧告
公民較差0.15%(578円)、一時金は0.10月分を引き上げ
扶養手当のあり方については、民間や他都市の動向を勘案しながら検討
【市労連】
較差こそ小さく不満ではあるものの、引き上げという観点からすると当然の結果
2016賃金確定闘争で、組合員の生活を守るべく粘り強く闘う意思を表明

 大阪市人事委員会は9月21日、「職員の給与に関する報告及び勧告」を行った。勧告内容は月例給について、本年4月時点で578円、率にして0.15%、給与減額措置後では11,510円、率にして2.98%となる。

 市労連は勧告に際し、とりわけ月例給について、人事委員会から明らかにされた勧告結果は、較差こそ小さく不満ではあるものの、引き上げという観点からすると、当然の結果として受け止めることを表明した。

 また、民間給与データの上下2.5%ずつを除外する取り扱いに関して、人事委員会がこのような取り扱いに関して、研究・検討していくと示したことは、これまでのわれわれの指摘を一定踏まえたものと認識するが、本年においても例年同様の取り扱いが行われており、即刻、従来の手法に戻すべきであることを指摘した。「給料月額の減額措置」についても、懸命に働く組合員のモチベーションや生活実態を踏まえるならば、即時終了を明確に言及するべきであると人事委員会の姿勢を質してきた。

 扶養手当制度のあり方については、国に準じた見直しを行うべきではないことを述べ、技能労務職給料表においては、今後の市側との交渉に際して、行政職給料表をはじめ、その他給料表と同様の扱いを求めることを表明してきた。

 その他、人事管理制度に関しては、人材育成のための制度構築に向け努力するよう要請してきた。

 市労連は、2016賃金確定闘争では、組合員の生活を守るべく、粘り強く闘う意思を表明した

人事委員会委員長 これまで検討してまいった結果、とりまとめることができた「職員の給与に関する報告及び勧告」を、本日、市長及び議長に対して行ったところである。

 これらの内容については、局長から説明申し上げる。

行政委員会事務局長 はじめに、本年の給与改定についてであるが、月例給については、職員と民間企業従業員の本年4月分支給額を調査し、責任の度合、学歴、年齢別に対応させ、ラスパイレス方式により比較を行った。職員給与については、現在、給料及び管理職手当の減額措置が実施されているところであるが、この給与減額措置がないものとした場合の行政職給料表適用者の平均給与月額は397,327円であり、給与減額措置後の平均給与月額は386,395円である。一方、民間給与は397,905円であり、その差は、給与減額措置がないものとした場合には578円、率にすると0.15%となり、給与減額措置後は11,510円、率にすると2.98%である。

 勧告に当たっては、給与減額措置は本市の厳しい財政状況からとられた特例的な措置であることから、職員に本来支給されるべき給与、すなわち給与減額措置がないものとした場合の職員給与と民間給与との較差に基づき月例給の改定を行うことが適当であると判断するところであり、本年引上げ改定すべき月例給の額は、578円となる。

 また、特別給については、民間の支給割合は4.31月分という調査結果であった。勧告月数は、国や他都市と同様に、0.05月単位で決定しており、また小数点第2位は2捨3入・7捨8入するので、4.31月分だと4.30月分となる。そのため、本市職員の期末・勤勉手当の支給月数4.20月分との差は0.10月分となる。

 本年は、これらの公民の給与較差を解消するため、月例給の引上げ改定及び特別給の引上げ改定を勧告したところである。なお、月例給は平成26年以来2年ぶりの引上げ、特別給は平成26年以降3年連続の引上げ改定となる。

 本委員会では、公民較差を解消するために給与を改定する場合、賃金センサスに基づく役職ごとの民間給与の傾向を踏まえ、改定について勧告するという方法を採用している。

 ただ、本年については公民較差が578円と小さいことから、役職ごとの改定額に大きな差をつけることが困難な状況にあること、また、本市ではこれまで昇給カーブのフラット化が進められているとともに、平成24年の給与制度の改正により、各級の最高号給が大幅に切下げられるなど、年功的な給与上昇は一定程度抑制されている状態にあることを勘案し、給与改定については、全ての級及び号給において、同一の改定額での改定を基本とすることが適当である旨を言及している。

 なお、医師及び歯科医師に対する初任給調整手当は、人材確保の観点から、人事院が勧告した措置等を勘案し、引き上げる必要がある旨、勧告している。

 また、保育士及び幼稚園教員については、本市側の給与水準が民間の保育士又は幼稚園教員の給与水準を上回っているものの、民間では年齢が20歳台の若年層が最も多くを占め、勤続年数では10年未満の者が多数となっているなど、本市と民間とでは組織・人事の構造が大きく異なっているため、直接的に本市給与水準と民間給与水準とを均衡させることには慎重であるべきと考えている。また、保育士給料表及び幼稚園教育職給料表は、民間の保育士又は幼稚園教員の給与水準との直接的な均衡を基にしたものではないため、公民較差額を算出し、それに基づき給与改定を行うことは適当ではないと考えている。そのため、較差額の算出ということはしていない。

 このような考え方の下、保育士給料表については、本市側と民間側の給与水準の状況のほか、賃金センサスに基づく一般的な民間従業員の給与の状況と比較して本市の役職を持たない保育士の給与水準が高いわけではないこと、民間保育士の給与水準は昨年と比べ全体として若干上昇していること、我が国全体として保育士の給与を引き上げるための対策がとられていること、職種別民間給与実態調査に基づく民間給与水準は、国、本市ともに職員の給与水準を若干上回るなど民間給与が全体的に改善していることなどを総合的に考慮し、引上げ改定を行うことが適当である旨を言及している。

 幼稚園教育職給料表については、本市側と民間側の給与水準の状況のほか、役職を持たない教諭の給料表の水準については賃金センサスに基づく一般的な民間従業員の給与と均衡し、おおむね妥当であること、民間幼稚園教員の給与水準が昨年と比べ上昇しているという状況は見られないことなどを総合的に考慮し、改定すべき状況にはない旨を言及している。

 期末・勤勉手当については、年間支給月数を0.10月分引上げ、4.30月分とすること、期末手当及び勤勉手当の区分ごとの引上げ及び支給割合は、民間の考課査定分の支給状況や人事院が勧告した支給割合のほか、勤務実績を適正に給与に反映させることも勘案し、勤勉手当に配分することを勧告している。

 改定の実施時期については、月例給については、本年4月時点での公民比較に基づくものであることから、本年4月に遡及して実施する必要があるとしている。特別給については、本年12月期の期末・勤勉手当は改正条例の公布日の属する月の翌月から実施し、平成29年6月期以降の期末・勤勉手当は平成29年4月1日に実施することを勧告している。

 勧告に基づく職員給与の試算については、今回の勧告が実施された場合、給与減額措置実施後の行政職の平均年収は48,321円の増加となり、その場合の行政職全体の影響額は約4億9千万円となる。

 次に、意見として、給与制度等に関する課題と人事管理制度に関する課題について言及している。

 まず、給与制度等に関する課題としては、民間給与データの取扱いについて、平成25年から本委員会独自の取組として、収集した民間給与データの上下2.5%ずつ、合わせて5%のデータを公民比較の対象から除外しているが、平成25年以降4回分の民間給与データを慎重に分析し、この取扱いの継続の是非も含め、民間給与データの合理的取扱いについてさらに研究・検討を進める旨言及している。

 給料表の構造等について、本年4月になされた給料表の号給の増設により、最高号給に到達している職員は少数となったものの、今後もあるべき昇給制度等の検討が必要である旨言及している。

 扶養手当の在り方について、本年、人事院は配偶者に係る手当をめぐる状況の変化等を踏まえ、配偶者に係る扶養手当の改定について勧告したが、本市の扶養手当制度の在り方については、国での改定内容を踏まえつつ、民間や他都市の動向も勘案しながら検討することが必要である旨、言及している。

 再任用職員の給与等について、本年の民間給与調査において再雇用者の給与水準を把握したが、公民給与を的確に比較し分析するに足るデータ量とは言い難いと考えられるため、引き続き再任用職員の給与については検討していく旨や、今後増加が見込まれる再任用職員については、若年・中堅層職員等の昇任機会や執務意欲にも配慮しつつ、その職務・職責や人員配置の検討が必要である旨言及している。

 保育士及び幼稚園教員の給与改定の在り方について、今後も保育士や幼稚園教員を取り巻く状況に注視し、適切かつ効率的に給与改定できるよう研究を進める旨言及している。

 府費負担教職員の給与負担等の移譲に伴う新たな人事給与制度の構築については、本年3月に本市教育委員会が「権限移譲に伴う新たな人事給与制度の基本的な考え方(素案)」を取りまとめたが、この内容も踏まえ、地公法上の諸原則等の観点から、「給料表」、「諸手当」、「給与以外の勤務条件」、「人事評価制度」、「激変緩和のための措置」、「その他」の項目ごとに人事委員会としての意見を言及している。

 技能労務職員の給与水準について、現在、市長からの依頼を受けて、民間における本市技能労務職員に相当する職種の従業員の給与等の状況を把握するための調査を実施中であり、調査完了後、その結果を集計・分析の上、成案を得られた段階で報告を行っていきたい旨言及している。

 なお、平成21年度以降継続して実施されている給与減額措置については、本市の厳しい財政状況が背景にあることから、本委員会としてもあくまで特例的な措置として理解するところではあるが、人事委員会勧告制度に基づき本来職員に支給されるべき給与が支給されない状態が長期間にわたり継続されることとなり、職員の執務意欲や人材確保に与える影響等も懸念されるため、早期に解消されるべき旨、改めて言及している。

 次に、人事管理制度に関する課題としては、組織・人員体制の構築について、現体制・職員配置に関する検証と、その結果に基づく組織・人員体制の構築が必要である旨や、組織の経験知等の継承のため、一定バランスのとれた年齢構成にしていく必要があり、長期的観点から職員構成の在り方を研究することが必要であること等について言及している。

 人材育成について、行政専門家の養成について、より意識的に取り組む必要があることや、上級幹部候補の選抜と育成の在り方の検討が必要である旨、言及している。

 人事評価について、能力及び実績に基づく人事管理の推進と人材育成ツールとしての人事評価制度の活用の推進の必要性や、職員の勤続年数にとらわれない、真に能力本位の昇任・昇格等の人事管理の必要性について言及している。

 女性職員の活躍促進について、計画的・戦略的に女性職員が活躍できる土壌を整備することが必要であり、「職域拡大・計画的育成とキャリア形成支援」を一つの大きな取組項目に据え、取り組んでいくことが望まれる旨言及している。

 柔軟な勤務制度について、テレワークの導入実施等、今後も柔軟な勤務制度の整備に努めることが必要である旨言及している。

 超過勤務の縮減について、特に管理監督者が率先して業務執行の効率化、適正な業務配分、人事配置等に取組むことと、所属長がとりわけ強いリーダーシップを発揮することが必要である旨言及している。

 両立支援の推進について、本年人事院は意見の申出と勧告を行ったが、本市でも今後、法改正等の動きを注視し、必要な措置を講ずることが必要である旨言及している。

 職員の心の健康保持について、本年策定された計画に基づき、多面的に粘り強く取組むことが重要である旨言及している。

 ハラスメント防止対策について、引き続き職員へパワーハラスメント防止等に係る指針等の周知啓発を進めることが必要である旨や、その他あらゆるハラスメント防止対策について取組むことが必要である旨言及している。

 以上が本年の給与報告・勧告の概要である。

組合 冒頭、人事委員会におかれては、平素より私たちの賃金諸条件等の維持・改善にご尽力いただいていることに敬意を表しておきたい。

 さて、ただ今説明された本年の「職員の給与に関する報告及び勧告」の内容について、何点かに絞り市労連の考え方を申し上げたい。

 まず、公民給与比較であるが、本来支払われるべき職員給与である給与減額措置がないものとした場合の較差に基づき、月例給の改定を行うことが適当との判断から、本年引き上げ改定を行うこと、また、一時金についても、民間の支給割合との差から0.10月分引き上げ、4.30月分とするなど、勧告内容の説明があった。

 とりわけ、月例給については、本年4月時点で民間給与が578円、率にして0.15%上回っており、給与減額措置後では11,510円、率にして2.98%上回っていることが明らかにされた。大阪市においては、職員・組合員の給与水準が年々引き下げられていることから、人事委員会から明らかにされた勧告結果は、較差こそ小さく不満ではあるものの、引き上げという観点からすると、当然の結果として受け止める。また、保育士給料表については、民間とは組織・人事構造が大きく異なっているため、民間保育士の給与水準を基に改定を行うことは適当でないとして、本年においては、一般職と同様に引き上げることが示された。人事委員会が述べているように、民間保育士の給与水準が上昇していることや、国全体として保育士給与を引き上げる対策が行われていることを考慮すれば、現行の保育士の給料表は即刻見直すべきであり、人事委員会としてもそのような認識のもと、給料表見直しに向けた言及を行うべきである。

 「給料月額の減額措置」については、例年、人事委員会の勧告において、職員の本来支給されるべき給与と、減額措置後の給与が示されているが、この差を見れば「給料月額の減額措置」が、いかに組合員の給与に影響を与えているかが明らかである。人事委員会としても、そのように認識しているはずであり、組合員の執務意欲や人材確保に与える影響を懸念するが故、本勧告においても、早期に解消される旨、言及されていると理解するところである。しかしながら、この間同様、従来の表現に終始するばかりで、市労連としては、大いに不満で納得できるものではなく、本当に再三述べているが、懸命に働く組合員のモチベーションや生活実態を踏まえるならば、勧告制度に基づいていない減額措置に関しては、即時終了を明確に言及するべきである。

 さらに、民間給与データの上下2.5%ずつを除外する取り扱いに関して、今後の継続の是非も含め、合理的取り扱いについて研究・検討を行うことが示された。しかし、本年においては、例年と同様の取り扱いによる公民比較が行われている。今回、人事委員会がこのような取り扱いに関して、研究・検討していくと示したことは、これまでのわれわれの指摘を一定踏まえたものと認識するが、この間の比較内容からも、このような手法は合理的取り扱いでないことは既に証明されており、本年の公民比較を行う時点で従来の手法に戻すべきである。また、本年の勧告の中で、上下2.5%ずつを除外した場合としなかった場合の差が、率にして0.36%であったことが示されており、金額に換算すると1,430円となり、仮に本年の比較において上下2.5%ずつを除外しなければ、2,008円の引き上げであったと考えられ、本年の勧告で人事委員会が示した金額と比較すると大きな差が生じている。国や他都市の比較においても、このような手法を活用している例はなく、組合員の給与水準を引き下げている、大きな要因となっているのは明らかであることから、改めてであるが、即刻、従来の手法に戻すべきである。

 扶養手当制度のあり方については、民間企業や他都市の動向を十分勘案し、何よりも、市職員における家族実態や手当の支給状況を考慮するべきであり、国に準じた見直しは行うべきではないと認識している。

 次に、技能職員の給与水準について、市長からの依頼を受け、現在、民間における技能労務職種従業員の給与等の状況を調査中であり、その結果が分析でき次第、報告するとしている。このようなことは、中立機関としての公正性を欠き、職責を逸脱していることを、市労連として何度も指摘してきている。今後、市側との交渉を行っていくに際して、技能労務職給料表においても、行政職給料表をはじめ、その他給料表と同様の扱いを求めることとする。

 また、教職員の新たな人事・給与制度の構築について、各項目ごとに言及しているとある。教職員の賃金・労働条件に関しては、関係組合が行った先の申し入れにおいて、子どもが安心して教育を受けるためには、教職員の士気の高揚が重要であることが述べられてきた。人事委員会として、そのような内容を十分踏まえ、今後においての対応を要請しておく。

 続いて、一昨年来から人事委員会で研究・検討されている、人事管理制度に関してであるが、市労連としては、昨年の勧告時の交渉でも人事管理制度全般において、各項目についての指摘を行ってきた。本年の勧告でも各項目が言及されているが、行政専門家と上部幹部候補の育成や人事評価については、能力実績主義に基づく競争制度を構築し、職員間に格差を生じさせる内容である。また、柔軟な勤務制度や超過勤務縮減の整備などについては、重要な課題であるが、職員一人ひとりの能力の違いや各職場事情等を考慮し、慎重な対応が必要である。その他、両立支援や心の健康保持、ハラスメント防止についての言及がされているが、いずれにしても、人事管理制度は、人材育成のための制度でなくてはならず、今後においてもその構築に向け、努力されるよう申し上げておく。

 以上、「勧告・報告」の内容に関する考え方を述べさせて頂いた。

 いずれにしても、今後市労連として、市側に対して賃金・労働条件改善を求め主体的な交渉を行うこととするが、人事委員会としても、私たちの指摘内容を十分踏まえ、懸命に働く職員のモチベーションを低下させることなく、その向上のためにも、改めてその使命と職責を果たされるよう求めておく。

人事委員会委員長 ただいま、市労連の皆様の「報告・勧告」の内容に関する考え方について、お聞きしたところである。

 いずれにしても、本委員会としては、これまでと同様に、中立かつ公正な第三者機関として、法に定められた責務を誠実に果たしてまいりたいと考えている。

以 上

 

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