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更新日:2016年11月14日

次年度勧告に向け大都市協が大人連(課長会議)に申し入れ

大都市事情が十分反映されるよう大人連へ申し入れ

 大都市労連連絡協議会(大都市協)は、11月11日(金)横浜市でブロック会議を開催し、来年度の勧告(報告)に向けての申し入れ内容について協議した。

 その後、当地で開催中の大人連課長会議に対し、以下の申し入れを行った。

2016年11月11日

大都市人事委員会連絡協議会
         課長会議 様

大都市労連連絡協議会

申し入れ書

 日頃から、大都市自治体に働く職員の賃金・労働条件の改善に努力されている貴職に対して敬意を表します。

 さて、人事院は、本年8月8日、3年連続月例給、一時金ともに引き上げるとともに扶養手当制度を見直す報告・勧告と両立支援を改正する勧告及び申出を行いました。

 3年連続し月例給及び一時金の引上げは、組合員の期待に一定程度応えるとともに、今春闘期における民間の賃上げ実態からして当然の結果と言えます。

 同時に、初任給や若年層に重点を置きつつも、再任用職員を含め、指定職俸給表をのぞくすべての俸給表において引き上げを行ったことについては、一定の評価ができます。

 一方で、扶養手当の見直しについては、政府からの要請にこたえるかたちで、配偶者手当を削減し、子に対する手当額を引き上げるとした扶養手当内での配分の変更であり、民間企業の支給実態からも乖離した拙速な見直しと言えます。

 また、育児や介護と仕事の両立支援制度の改正について、勧告および意見の申出が行われましたが、民間労働法制の見直しに即した内容にとどまっており、消極的な取り扱いと言わざるを得ません。

 雇用と年金の接続についても、フルタイム中心の勤務を実現するとしていますが、具体策の提案はなく課題を残すことになりました。

 本年の各都市人事委員会勧告では、幾つかの都市では、国に追随する扶養手当の見直しに関する勧告が見受けられました。

 こうしたもと、人事委員会が労働基本権を一部制約した代償措置として、また第三者機関として、公平公正な立場で作業を進めるべきと考えます。

 つきましては、来年度の報告・勧告にあたっては、大都市で働く職員の実情を十分に踏まえ、人事委員会の役割と責任を認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。

1.人事委員会は地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置としての意味を持つことに鑑み、労使合意の内容、その経過、組合側の意見を十分尊重して勧告をすること。

2.勧告に係る内容について、政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、第三者機関として、公平公正な立場で作業を進めること。

3.職務給や能力・実績主義などの給与決定の原則を無視した、年齢だけを理由とした給与引き下げを行わないこと。

4.勧告にあたり、地公法第24条第2項に規定する給与基準を考慮する場合は、大都市における生活事情、特に住宅事情、物価、生計費に重点を置き判断すること。

また、給料表の作成については労使交渉の決定事項を最優先とし、作成に関しての内容に踏み込まないこと。

5.民間給与実態調査及び公民給与の比較を行う場合は、労働基本権の代償機関としての責務を果たすことを前提として、組合と協議した上で下記の方法を取ること。

(1) 比較企業規模を「50人以上」とした調査比較方法を止め、従前の比較企業規模に戻すこと。また、団体交渉によって賃金、労働条件を決定している事業所を対象とし、「会社更生法等の適用企業」は調査対象から除外すること。

(2) 比較対象職種は、行政職(一)表関係業種とし、職務・職種名の対応にあたっては、機械的な区分を止め、実態に即したものとすること。

(3) 比較給与の範囲を原則として公務員の基本給に相当する給与とすること。

(4) 精確な公民較差を算出するためにも追加較差を算出すること。

6.地域手当については本給繰り入れを基本とすること。

7.住居手当については地方公務員の住宅制度や現状を考慮し、廃止または引き下げは行わないこと。

8.通勤手当については、全額実費支給とし、交通用具利用者に対する手当を改善すること。あわせて、全額非課税になるよう関係機関に働きかけること。

9.配偶者に係る扶養手当については、民間の支給実態を精確に調査・把握し、国の見直しに追従することなく、地方自治体の独自性を堅持し、各都市の実情に見合った改善を図ること。

10.特別給(一時金)については、比較方法を改め、公民同一基準により精確な月数算定を行うこと。また、勤勉手当の運用における成績率の強化拡大を行わないこと。

11.給与構造改革における経過措置額(現給保障)を廃止しないこと。

12.勤務時間については、年間総労働1,800時間を達成するためにも、週労働時間を37時間30分、日労働時間を7時間30分とするよう勧告を行うこと。

13.高齢期雇用制度については、雇用と年金の確実な接続と高齢層の生活実態を踏まえた給与水準を保障すること。

14.女性の労働権確立、男女共同参画社会の実現に向けて必要な施策の確立を図ること。また「次世代育成支援対策推進法」の行動計画の着実な実施に向けて対策を行うこと。

15.大都市協の意向を反映し早期勧告に向けて努力すること。

以上

大人連課長会議 本日は、慣例により、当番団体である横浜市から大人連を代表してお答えする。

 ただ今の申し入れについては、大人連として承った。

 各人事委員会においては、各都市区における民間給与の実態を踏まえるとともに、それぞれの課題に対応した報告及び勧告を、議会及び長に対して行ったところである。

 皆様から申し入れのあった項目のうち、比較企業規模については、民間給与を広く把握し、その給与水準をより適正に公務の給与水準に反映させるため、これまでと同様の規模としているところである。

 なお、民間給与実態調査は、全国の人事委員会及び国の人事院が共同で実施している調査であり、大人連としても、必要な点については検討を行うとともに、人事院と協議を行ってきている。

 また、地域手当、住居手当、通勤手当、扶養手当、特別給、給与構造改革における経過措置額、勤務時間、高齢期雇用制度、次世代育成支援対策などの各事項については、民間や国の動向等に留意しつつ、各都市区がそれぞれの団体の事情を考慮し、取り組んでいくものと考えている。

 私ども人事委員会としては、これまでと同様、地方公務員法の趣旨に則り、中立かつ公正な第三者機関としての立場を堅持し、その役割を果たしてまいる所存である。

 なお、本日の申入れについては、それぞれ委員会に持ち帰り、その内容も踏まえながら、次回の勧告へ向け、検討を行ってまいる。

以上

 

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