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更新日:2019年8月20日

大都市協が大人連事務局長会議に申し入れ

勧告にあたり、人事院勧告に追随することなく、要求実現に向けた最大限の努力を要請!

 8月19日(月)、大都市労連連絡協議会(大都市協)は堺市で代表者会議を開催し、2019年の人事院の勧告後における各都市人事委員会交渉についての取り組みなどを報告・協議した。その後、当地で開催中の大人連事務局長会議に対し、以下の「申し入れ」を行った。

2019年8月19日

大都市人事委員会連絡協議会
 事務局長会議 様

大都市労連連絡協議会

申し入れ書

 日頃から、大都市職員の賃金・労働条件改善に尽力されている貴職に対して敬意を表します。

 さて、人事院は8月7日、内閣と国会に対して2019年の国家公務員の給与等に関する勧告を行いました。

 その主な内容は、官民較差387円(0.09%)に基づき初任給を大卒1,500円、高卒2,000円引上げ、それをふまえた若年層の俸給表の引上げ、一時金(勤勉手当)を0.05月引上げとする、6年連続の引上げ勧告となりました。しかし、給与勧告は昨年の水準を下回る低額なもので、初任給は昨年を上回る引上げとなりましたが、生計費原則から見れば極めて不十分と言わざるを得ません。さらに、30代半ば以降の改定が見送られたことは、この間「給与制度の総合的見直し」で賃金水準が引下げられた中高年層の生活改善を顧みないものです。

 また、住居手当の見直しは家賃6万円弱を超えれば増額となりますが、現行受給額から目減りする場合や地域間格差の拡大につながることなどから抜本的な改善が必要です。

 一時金の引上げは6年間で合計0.55月となりますが、すべて勤勉手当に配分され、成績主義の強化につながるもので、月例給の生活補填という実態から見れば期末手当に配分すべきです。さらに、再任用職員の一時金引上げが見送られたことは容認できません。

 臨時・非常勤職員の処遇改善では夏季休暇が新設されました。しかし、病気休暇の有給化や生活関連手当などへの言及もなく、均等待遇とは程遠い不十分なものと言わざるを得ません。

 人事管理に関する報告では、人事評価の徹底とあわせて、勤務成績が「良くない」職員に「降任・免職等の分限処分を厳正に行うことが必要」と人事管理強化が強く打ち出されています。また、定年の引上げについては、「定年の引上げを実現するための措置が早期に実施されるよう改めて要請する」にとどまっています。

 各人事委員会におかれましては、今後、勧告作業が本格化を迎えることになりますが、こうした人事院勧告に追随することなく、大都市で働く職員の労苦に応え、公務に対する誇りと働きがいを向上させるためにも、すべての職員の生活改善が図られる勧告を行うことを強く求めます。

 貴職におかれましては、労働基本権制約の代償措置としての役割と責任を認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われるよう強く要請いたします。

1.人事委員会が地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置として設立されている趣旨を踏まえ、不利益不遡及の原則を守り、労使合意事項、労使交渉の経過および組合の意見を十分に尊重すること。

2.勧告に係る内容について、政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、第三者機関としての独立性を守り、公平・公正な立場で勧告作業を進めること。

3.給与勧告にあたっては、民間給与との較差のみでなく生計費に重点を置き、職員の生活と労働の実態にふさわしい給与水準に引上げること。また、給料表については、労使交渉の決定事項を最優先とし、作成に関しての内容に踏み込まないこと。

4.一時金については、比較対象職種を行政職(一)相当職種に見直すなど現行比較方法を改め、年間支給月数の引上げを行い、期末手当に一本化すること。

5.地域手当については、本給繰り入れを基本とし、支給率の改善を行うこと。

6.諸手当の改善については、組合と十分な交渉・協議に基づき地方公務員の実情と実態を踏まえ、次の事項の実現に努めること。

  • (1) 住居手当については、地方公務員の住宅制度や大都市特有の住宅事情を踏まえた対応を行うこと。
  • (2) 扶養手当制度については、単に国に準ずることなく各都市の実情に応じた改善を図ること。
  • (3) 通勤手当については、自己負担が生じないよう、支給額を改善するとともに、全額非課税となるよう関係機関に働きかけること。
  • (4) 退職手当制度の改善に向けて意見申出すること。

7.高齢者雇用施策について

  • (1) 雇用と年金の接続方法については、人事院の意見の申出に基づき、65歳までの段階的定年延長を中心とする新たな高齢者雇用施策を直ちに意見申出すること。
  • (2) 再任用制度を含む高齢期雇用制度など公務における高齢者雇用施策について、一層の充実を図り、雇用と年金の接続を確実に保障すること。

8.臨時・非常勤職員の賃金労働条件については、非常勤職員給与決定指針などに基づく抜本的な改善を図るとともに、2020年4月から施行される会計年度任用職員制度への移行については、均等待遇を確実に実現する具体的な改善について意見申出すること。

9.ワーク・ライフ・バランスを確保するため、年間総労働時間を早期に1,800時間程度に短縮し、引き続き次の事項の実現に努めること。

  • (1) 時間外労働の上限規制など、実効性のある超過勤務規制のための施策推進
  • (2) 年次有給休暇取得の促進
  • (3) 労働時間短縮のための人員確保等の施策構築
  • (4) 育児休業の男性取得の促進
  • (5) 介護休暇を取得しやすい職場環境の整備

10.ライフステージに応じ、社会的要請に応える休暇制度の新設・拡充、総合的な休業制度などを実現すること。特に、家族看護休暇および、リフレッシュ休暇・有給教育休暇(リカレント休暇)・不妊治療休暇の新設ならびに夏季休暇日数の改善を図ること。

11.各種ハラスメントに対する積極的な防止策を講じること。また、男女共同参画社会の実現に向けて、必要な施策の確立を図ること。

12.公務職場における障がい者や外国人の採用促進を図るため、職場環境の整備を含め必要な措置を行うこと。

13.人事委員会の勧告に向けた調査や作業にあたっては、組合との交渉・協議、合意に基づき進め、大都市協の意向を十分に反映し早期勧告に向けて努力すること。

以上

大人連事務局長会議  本日は慣例により、当番都市である堺市から、大人連を代表してお答えする。

 ただいまの申し入れについては、大人連として確かに承った。

 先般行われた人事院勧告では、給与の改定については、月例給を0.09%、特別給を0.05月分それぞれ引き上げることとされた。また、住居手当を見直し、支給対象となる家賃額の下限を引き上げるとともに、その原資を用いて、手当額の上限の引き上げを行うこととされた。

 現在、各人事委員会において、民間給与の実態を精確に職員給与に反映させるよう、最終的な作業を進めているところである。

 本日、皆様から申し入れのあった給与水準や特別給、各種手当、制度の充実、定年の引き上げに向けた取組などについては、民間や国の動向に留意しつつ、各人事委員会がそれぞれの団体の事情等を踏まえ、検討してまいりたいと考えている。

 人事委員会は、従来から、地方公務員法の趣旨に則り、中立かつ公正な第三者機関として、自主的な判断に基づき、適正な勧告を行ってきた。

 公務員の給与を取り巻く環境は、依然として厳しいものがあるが、引き続き、従来からの立場を堅持していく所存である。

以上

 

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