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更新日:2018年9月20日

第2回大阪市人事委員会交渉

市人事委員会:月例給及び一時金ともに民間が公務を上回る見込み
定年の引き上げについても言及
勧告時期は9月末
市労連:人事・給与制度全体にかかる総合的な制度の確立を強く求める!
定年の引き上げについては、大都市や大阪市の事情を踏まえ言及するよう求める!

 市労連は、9月20日(木)午後5時から大阪市人事委員会と、現在の進捗状況や勧告の見通しなどに関し交渉を行った。

 人事委員会は、月例給、一時金ともに民間が公務を上回る見込みであるとした上で「月例給及び特別給の改定の必要性について検討している」ことを示した。その他、保育士及び幼稚園教員の給与改定についての考え方、給与制度等に関する課題として、給料表構造や高齢層職員の給与のあり方、加えて、定年の引き上げとそれに関連する課題について言及する必要があるとした。最後に、勧告時期については9月末を予定していることが明らかにされた。

 市労連は、月例給、一時金の考え方については、「本日、人事委員会から示された内容は当然のこととして受け止める」ことを表明し、給与制度等に関しては、各級最高号給に多くの組合員が位置付けられ、低下しているモチベーションの向上をはかることは、市政運営においても重要であることから、給料表構造等の抜本的見直しを行い、人事・給与制度全体にかかる総合的な制度として確立できるよう、人事委員会として積極的で主体的な姿勢で取り組むことを強く求めた。また、定年の引き上げについては、国と異なる大都市や大阪市の事情を踏まえ、雇用と年金の接続を保障する内容の言及を行うよう求めた。

組合 市労連は8月10日に人事院勧告が行われたのを受けて、大阪市給与勧告の集約段階を迎えている人事委員会に対して、9月5日、勧告に向けた申し入れを行ってきたところである。その際、民間給与データの取り扱いや賃金センサスの活用などについて指摘し、また、給料表構造と昇給制度について、抜本的な見直しが必要であり、そのことについて言及するよう求めてきた。それらを踏まえ、私たちの要求の主旨を受け止め、さらに、中立機関としての独立性を堅持しつつ、その職責を果たされるよう要請してきたところである。

 地方公務員の給与決定は、言うまでもなく、地公法第24条第3項の主旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるべきであり、労働基本権の代償機関である人事委員会として、その機能を一層果たされるよう要請するとともに、職員の生活実態を十分考慮して作業を進め、私たち組合員の切実な要求に応えるよう最大限の努力を求めておく。

 その上で、事前質問事項である前回申し入れ以降の作業の進捗状況、さらに「勧告」の見通し、本年の作業の進捗状況について、現時点での較差や一時金の傾向と具体的な勧告日を明らかにされたい。

行政委員会事務局 ただいまお受けした申し入れについては、事前にお聞きしていた申し入れの内容を人事委員会に諮っている。本日は、その結果に基づき、回答をお求めの件について、本委員会の見解等を申し述べる。

 作業の進捗状況については、この間、本市職員と民間企業従業員との双方の給与の実態及び人事院勧告の内容について、鋭意分析・検討を進めてきており、現在は、大詰めの段階を迎えている。民間給与実態調査を行った時点での厚生労働省の毎月勤労統計調査では、大阪の所定内給与の前年同月比が全国を若干下回るなど、全国と比較して厳しい労働経済状況も見られる。

 公民給与の状況についてであるが、月例給、一時金等の特別給の年間支給月数ともに、民間が公務を上回るものと見込んでいる。これら民間の情勢や給与勧告の意義等を総合的に勘案し、月例給及び特別給の改定の必要性について検討している。なお、保育士及び幼稚園教員の給与水準については、民間との比較のみで改定の要否を判断することは適当ではないと考えており、諸般の状況を考慮し、改定の必要性について検討している。

 給与制度は職員の勤務条件の中でも基本となるものであり、本委員会としても、職務給の原則や均衡の原則といった地方公務員法に定められた給与決定の諸原則の観点から研究検討を行い、公民比較の在り方等についても研究・検証している。給与制度等に関する課題としては、公民給与の比較の在り方や賃金構造基本統計調査の参考としての活用、事業所規模50人未満を対象とした給与実態調査、民間給与データの取り扱い、平成24年8月に行われた本市の給与制度の改正などを踏まえた給料表構造の在り方、高齢層職員の給与の在り方、教職員の給与制度等について言及する必要があると考えている。また、人事管理制度に関する課題として、組織・人員体制の構築、人材育成及び女性職員の活躍促進、人事評価、長時間勤務の是正、管理監督者による適切な勤務時間の管理、両立支援の推進、非常勤職員の任用制度等の整備について言及することを考えている。また、人事院が「定年を段階的に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出」を行ったところであり、定年の引き上げとそれに関連する課題についても言及する必要があると考えている。

 勧告時期については、9月末を予定している。

組合 ただ今、人事委員会より、本年の公民給与の状況について、「月例給、一時金等の特別給の年間支給月数ともに、民間が公務を上回る」ものと見込んでいることが明らかにされた。また、「月例給及び特別給の改定の必要性について検討している」と述べられた。市労連として、労働基本権の代償措置である勧告制度からすれば、本日、人事委員会から示された内容は当然のこととして受け止める。前回の交渉の際にも申し上げたが、本年の勧告内容については、組合員の期待も非常に大きいことから、あらためて、大阪市に働く職員の生活実態を十分に踏まえた勧告を行うよう求めておく。

 保育士及び幼稚園教員の給与水準については、「民間との比較のみで改定の要否を判断することは適当ではない」として、「改定の必要性について検討している」と述べている。待機児童解消に向けた動きがある一方で、保育士や幼稚園教員の処遇が極めて低く人材不足が社会的問題となっている。職務の重要性や処遇確保の必要性、保育所及び幼稚園の運営への影響を考慮し、早急な給料表の水準回復を言及するよう求めておく。

 「公民比較のあり方等についても研究・検証している」とのことだが、民間給与データの取り扱いについては、一定条件において抽出したデータである以上、比較対象とするべきであることを再三指摘してきたところである。公平で中立機関である人事委員会が、精確なデータに基づいた公民比較を行うという職責を果たす上でも、スミルノフ・グラブズ検定などの正確性を欠く手法を活用した比較を行わないよう改めて要請しておく。また、事業所規模50人未満を対象とした調査結果の活用は決して容認できるものではない。賃金構造基本統計調査の結果等についても、調査データのタイムラグや精度そのものに問題が多いことから、活用は認められないことを再度、指摘しておく。

 給与制度等に関しては、現在の給料表が適用されて以降、昇給・昇格もできずに、各級最高号給に多くの組合員が位置付けられ、組合員のモチベーションが低下していることは言うまでもない。組合員の働き甲斐やモチベーション向上をはかることは、市政運営においても重要であることから、給料表構造等の抜本的見直しを行い、給与制度のみならず、55歳昇給停止の課題など、昇給・昇格を含めた人事・給与制度全体にかかる、総合的な制度として確立できるよう、人事委員会として積極的で主体的な姿勢で取り組むことを強く求めておく。

 教職員の給与制度等について言及とされているが、教職員の長時間労働も問題視されている中、子どもたちの教育条件や教育環境の維持・向上のための良識ある対応を求めておく。

 「長時間勤務の是正」「管理監督者による適切な勤務時間の管理」について言及とされているが、国においては、超過勤務命令の上限を人事院規則で定めることが言及された。地方公務員においては、地公法33条の規定もあることから、上限規制の条例化など、国の措置を踏まえた対応を求めておく。

 定年の引き上げについては、雇用と年金の接続の関係から早急に取り組むべきであり、国と異なる大都市や大阪市の事情を踏まえ、雇用と年金の接続を保障する内容の言及を行うよう求めておく。

 以上、本年の勧告を目前に控え、市労連としての考え方などについて率直に申し上げた。私たちを取り巻く環境が引き続き厳しいことは認識しているが、市政の発展と市民サービス向上のため、日夜を問わず懸命に働く組合員の思いを十分に受け止めた勧告を行うよう重ねて要請しておく。

行政委員会事務局 本委員会は、給与報告・勧告を行うにあたっては、これまでも、地方公務員法に基づき、民間給与の実態を精確に把握するとともに、国・他都市の動向等を踏まえ、中立的な第三者機関としての役割を果たしてきている。

 本日お聞きした内容等については、人事委員会に報告させていただく。

 

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