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更新日:2022年9月22日

第2回大阪市人事委員会交渉

市人事委員会:月例給、一時金ともに、民間が本市職員を上回っている
給料表の構造等と職員の執務意欲の維持向上について言及する必要
勧告時期は9月中
市労連:昇給・昇格を含めた人事・給与制度全体にかかる総合的な制度の確立を強く求める!
市民の生活と生命を守るため、職務に奮闘している職員の努力を十分に受け止め勧告を行うよう求める!

 市労連は、9月22日(木)午前9時30分から大阪市人事委員会と、現在の進捗状況や勧告の見通しなどに関し交渉を行った。

 人事委員会は、月例給、一時金ともに、民間が本市職員を上回っているとした上で「月例給及び特別給の改定について検討している」ことを示した。その他、保育士及び幼稚園教員の給与改定についての考え方、給与制度等の課題として給料表の構造等と職員の執務意欲の維持向上、人事管理制度の課題として、定年の引き上げに伴う対応、人事評価制度、などについて言及する必要があるとした。最後に、勧告時期については9月中を予定していることが明らかにされた。

 市労連は、月例給、一時金の考え方については、「本日示された内容は、人事委員会が正確な調査を行った結果として受け止める」ことを表明した。給与制度等に関しては、各級最高号給に位置付けられた多くの組合員の働き甲斐やモチベーションの向上をはかることは、市政運営においても重要であることから、給料表構造等の抜本的見直しと改善を行い、給与制度のみならず、55歳昇給停止の課題など、人事・給与制度全体にかかる総合的な制度として確立できるよう、人事委員会として積極的かつ主体的な姿勢で取り組むことを強く求めた。また、定年の引き上げとそれに関連する課題については、定年まで安心して働き続けることができる高齢期雇用施策の一層の充実に向け言及を行うよう求めた。

組合 市労連は8月8日の人事院勧告を受けて、大阪市給与勧告の集約段階を迎えている人事委員会に対して、9月1日に申し入れを行ってきたところである。その際、総合的な人事・給与制度の構築や人事評価制度の改善について言及するよう求めてきた。また、定年まで安心して働き続けることができる高齢期雇用施策の充実などについても人事委員会としての対応を求めてきた。このような私たちの要求の主旨を受け止め、さらに、中立機関としての独立性を堅持しつつ、その職責を果たされるよう要請をしてきたところである。

 地方公務員の給与決定は、言うまでもなく、地公法第24条第2項の主旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるべきであり、労働基本権の代償機関である人事委員会として、その機能を一層果たされるよう要請するとともに、職員の生活実態を十分考慮して作業を進め、私たち組合員の切実な要求に応えるよう最大限の努力を求めておく。

 その上で、前回申し入れ以降の作業の進捗状況、さらに「勧告」の見通し、本年の作業の進捗状況について、現時点での較差や一時金の傾向と具体的な勧告日を明らかにされたい。

行政委員会事務局 作業の進捗状況については、この間、本市職員と民間企業従業員との双方の給与の実態及び人事院勧告の内容について、鋭意分析及び検討を進めてきており、現在は、大詰めの段階を迎えている。

 民間給与実態調査を行った時点での厚生労働省の毎月勤労統計調査では、大阪の所定内給与の前年同月比は全国をやや下回るものの金額では全国を上回るなどの状況が見受けられる。

 また、公民給与の状況についてであるが、月例給、一時金等の特別給の年間支給月数ともに、民間が本市職員を上回っている状況が見受けられる。

 これら民間の情勢や給与勧告の意義等を総合的に勘案し、月例給及び特別給の改定について検討している。なお、保育士及び幼稚園教員の給与水準については、民間との比較のみで改定の要否を判断することは適当ではないと考えており、諸般の状況を考慮し、改定の必要性について検討しているところである。

 給与制度は職員の勤務条件の中でも基本となるものであり、本委員会としても、職務給の原則や均衡の原則といった地方公務員法に定められた給与決定の諸原則の観点から研究検討を行い、公民比較の在り方等についても研究及び検証を進めている。

 これまでの研究や検証の結果、給与制度等に関する課題としては、「公民比較の在り方」や「給料表の構造等と職員の執務意欲の維持向上」などについて言及する必要があると考えている。

 また、人事管理制度に関する課題としては、「人材の確保及び育成」、「定年の引上げに伴う対応」、「人事評価制度」、「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した職場環境の整備」、「長時間勤務の是正」、「仕事と家庭の両立支援」、「職員の心の健康づくりの推進等」、「ハラスメントの防止」などについて言及する必要があると考えている。

 勧告時期については、9月中を予定している。

組合 ただ今、人事委員会より、本年の公民給与の状況について、「月例給、一時金等の特別給の年間支給月数ともに、民間が本市職員を上回っている状況が見受けられる」との認識が示された。市労連として、労働基本権の代償措置である勧告制度からすれば、本日示された内容は、人事委員会が正確な調査を行った結果として受け止める。前回の交渉の際にも申し上げたが、本年の勧告内容については、コロナ禍において、大阪市に勤務する職員は、多くの不安を抱えつつも、エッセンシャルワーカーとしての自覚と責任感をもって業務にあたっており、そうした努力や実績を十分に踏まえた勧告を行うよう求めておく。

 その上で、市労連として本日の交渉で、幾つかの点について指摘をしておく。保育士及び幼稚園教員の給与水準については、「民間との比較のみで改定の要否を判断することは適当でない」として、「改定の必要性について検討している」との内容が示された。待機児童数の解消に向けては、改善に向けた動きがある一方で、保育士や幼稚園教員の処遇が低く人材不足が依然として解消されず、社会的問題となっている。その様な中、本年2月からは、国の新たな事業として「保育士・幼稚園教諭等」について処遇改善事業が取り組まれている。しかしながら、大阪市は、「人事委員会において、保育士等給与の公民比較を行ってきていることから、民間の給与水準の変動を踏まえた勧告に基づき給与改定を行うことが基本」との考えを示すのみで、処遇改善には至っていない。市立の保育所・幼稚園は、保育・教育の深化充実とセーフティーネットの観点からも大変重要であることから、人事委員会として、早急な給料表の水準回復を言及するよう求めておく。

 賃金センサスの活用等については、調査データのタイムラグや精度そのものに問題が多いことから、活用は認められないことを再度指摘しておく。

 給与制度等に関しては、現在の給料表が適用されて以降、昇給・昇格もできずに、各級最高号給に多くの組合員が位置付けられ、今後、定年の引き上げに伴い最高号給に達する職員はさらに増加することから、組合員のモチベーションが低下することは明らかである。「給料表の構造等と職員の執務意欲の維持向上について言及する必要がある」と述べられたが、組合員の働き甲斐やモチベーションの向上をはかることは、市政運営においても重要であることから、給料表構造等の抜本的見直しと改善を行い、給与制度のみならず、55歳昇給停止の課題など、昇給・昇格を含めた人事・給与制度全体にかかる総合的な制度として確立できるよう、人事委員会として積極的かつ主体的な姿勢で取り組むことを強く求めておく。

 「人事評価制度について言及する必要がある」と述べられた。前回の交渉の際にも申し上げたが、一昨年の勧告において、人事委員会より言及された、絶対評価点と相対評価区分の不整合等の課題が、依然として改善されていないことから、人事委員会として、これまでの報告において言及した内容が早急かつ確実に実施されるよう、人事評価制度の見直しについて言及するよう強く求めておく。

 「長時間勤務の是正について言及する必要がある」と述べられた。国においては、恒常的に長時間勤務がある職域には要員を確保する必要があると改めて言及された。コロナ禍において、職員不足による長時間勤務が増加している実態があることから、それらを踏まえた人事委員会としての対応を求めておく。

 また、長期化するコロナ禍において、医療従事者への負担が引き続き大きいものとなっており、離職の頻発による医療現場での人材不足は深刻化してきている。大阪市における保健師や看護師なども例外ではない。先程も指摘したが、「保育士・幼稚園教諭等」と同じく「保健師や看護師等」においても、同様の処遇改善事業が取り組まれている。そうしたことからも、自身の感染はもとより、感染の媒介者になる不安の中、最前線で業務に従事している医療従事者に対して、医療職給料表の改定も含めた処遇改善に向けた対応を求めておく。

 「定年の引上げに伴う対応について言及する必要がある」と述べられた。さらに、前回の交渉において、定年の引き上げとそれに関連する課題については「高齢層職員の給与、環境整備等について、任命権者において適切に運用がはかられるよう意見を申し述べる」との考えが示された事から、国や他の政令市とは異なる大阪市独自の事情と業務実態を踏まえ、定年まで安心して働き続けることができる高齢期雇用施策の一層の充実に向け言及するよう改めて求めておく。

 以上、本年の勧告を目前に控え、市労連としての考え方などについて率直に申し上げた。私たちを取り巻く環境が引き続き厳しいことは認識しているが、市政の発展と市民サービス向上のみならず、コロナ禍において市民の生活と生命を守るため、自らの不安を顧みず、職務に奮闘している職員の努力を十分に受け止めた勧告を行うよう重ねて要請しておく。

行政委員会事務局 本委員会は、給与報告・勧告を行うにあたっては、これまでも、地方公務員法に基づき、民間給与の実態を精確に把握するとともに、国・他都市の動向等を踏まえ、中立的な第三者機関としての役割を果たしてきている。

 本日お聞きした内容等については、人事委員会に報告させていただく。

以 上

 

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