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更新日:2022年2月14日

公的部門における処遇改善事業にかかる要求書を提出

【市労連】
国の経済対策の趣旨を踏まえ、保育士等の処遇改善を要求
【大阪市】
民間の給与水準の変動を踏まえた勧告に基づき給与改定を行うことが基本

 市労連は、2月14日(月)午後5時00分から「公的部門における処遇改善事業にかかる要求書」を大阪市に提出した。

 国において、看護、介護、保育、幼児教育などにかかわって、そこで働く者への賃金引き上げを趣旨とする経済対策が示されたことから、令和3年度補正予算で保育士等の処遇を改善するための各種補助金が創設された。この補助金については、地方公務員の処遇改善も対象となっていることから、市労連として、国の経済対策の趣旨を踏まえ、保育士等の処遇改善を求める要求書を提出した。

 市側は「各種補助金が地方公務員の処遇改善に必要な経費も対象となっていることは承知している」とした上で、「この間、人事委員会において、保育士等給与の公民比較を行ってきていることから、その結果を踏まえることが原則とし、民間の給与水準の変動を踏まえた勧告に基づき給与改定を行うことが基本」とする考え方を示した。

 市労連は「大阪市は財政難を理由に給与カットを実施してきた経過からすると、今回の国の補助制度を利用した処遇改善を行わないことは、この間の市側対応と大きく矛盾するものである」との認識を示した。その上で、市側より示された考え方については、市労連として到底納得できるものではないことを表明し、引き続き協議を行うことはもとより、市側の誠意ある対応を求め団体交渉を終了した。

※ ※ ※

組 合 公的部門における処遇改善事業にかかる要求書を提出する。

処遇改善事業にかかる要求書手交

 要求書の内容については、書記長から申し上げる。

2022年2月14日

大阪市長 松井 一郎 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 金子 俊雄

公的部門における処遇改善事業にかかる要求書

 2021年11月19日閣議決定の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」において、看護、介護、保育、幼児教育など新型コロナウイルス感染症への対応と少子高齢化への対応が重なる最前線において働く者の収入を引き上げるとされ、12月20日には「令和3年度一般会計補正予算(第1号)」が成立しました。

 当該補正予算においては、保育士等の処遇を改善するための各種補助金が創設され、関係府省より実施要綱が発出されています。これらの補助金は、各現場で働く地方公務員の処遇改善に必要な費用についても対象となっています。

 つきましては、本事業の対象となる職員の処遇改善に向けて下記のとおり要求します。

  1. 処遇改善臨時特例事業実施要綱等に基づき、2022年2月から給与改善を実施すること。
    なお、改善方法及び処遇改善にかかる職員の範囲については、労使合意を前提として十分な交渉・協議を行うこと。
    • (1) 具体的な給与改善にあたっては、給料表の改定もしくは級・号給の設定見直しにより行うこと。
    • (2) 給料表の改定等によることが困難な場合は、給料の調整額により措置すること。なお、会計年度任用職員については報酬額により改善をはかること。
  2. 本事業にかかる計画の具体的な内容を職員に周知すること。

以上

 要求の内容については以上であるが、市労連の基本的な考え方について申し上げる。

 今回、国において、看護、介護、保育、幼児教育などにかかわって、そこで働く者への賃金引き上げを趣旨とする経済対策が示された。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、保育士等の職務の重要性が改めて浮き彫りになったものと認識している。

 大阪市における保育士及び幼稚園教員については、2015年に独自の給料表が策定され、給与水準が引き下げられた経過もあり、この間、市労連としても、保育士等の職務の重要性を鑑み、人材確保の観点から処遇改善を求めてきた。そうした状況の中、国の経済対策が示され、「令和3年度一般会計補正予算」において、保育士等の処遇を改善するための各種補助金が創設された。これは民間はもとより、地方公務員の処遇改善も例外でないとされている。そうしたことから、大阪市においても、国の経済対策の趣旨を踏まえ、保育士等の処遇を改善する必要があると考えるが、現時点での大阪市の考え方を明らかにされたい。

市 側  ただ今、公的部門における処遇改善事業にかかる要求をお受けしたところである。

 この件について、我々としての現時点での認識を示したい。

 令和3年11月19日に閣議決定された、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」において、看護、介護、保育、幼児教育など、新型コロナウイルス感染症への対応と少子高齢化への対応が重なる最前線の現場で働く方々の収入を引上げることとされ、令和3年度補正予算において、処遇改善のための各種補助金が創設されており、それらの補助金は、各現場で働く地方公務員の処遇改善に必要な費用についても対象となっている点については、承知している。

 総務省からの通知等を踏まえ、本市としても検討を行ってきたところであるが、保育士及び幼稚園教員の給与については、本市人事委員会において、保育士等給与の公民比較を行っているところであることから、その結果を踏まえることが原則であり、公民比較の結果に従うことは、地方公務員における給与決定原則である情勢適応の原則に沿ったものである。

 今回の国の施策により、民間保育士等の給与水準に変動があった場合には、人事委員会の調査結果に反映され、給与水準の変動を踏まえた勧告がなされることとなる。そのため、本市としては、民間の給与水準の変動を踏まえた勧告に基づき給与改定を行うことが基本であると考えており、その他の職種についても、人事委員会の勧告を基本として改定を行っていることから、当該勧告に従うことが基本であると考えている。

 今後とも国、他都市の動向等も勘案しながら、引き続き慎重に検討を行い、必要に応じて協議に応じてまいりたい。

組 合  ただ今、市労連の申し入れに対し、人事室長より考え方が示された。

 総務省からの通知が出されているにもかかわらず、人事委員会勧告による給与決定の原則を理由に、保育士等の処遇改善を行わないとした市側姿勢は、市労連として納得できるものではない。今回創設された各種補助制度については、地方公務員も対象としていることからも、勧告を基本とした給与改定を踏まえた上での経済対策の一環であり、給与決定の原則のみで処遇改善を実施しない理由とすべきではないと認識している。

 また、大阪市は財政難を理由に、2008年から給与カットを実施してきた経過もあり、現在も組合員層ではないものの、局・部長級において減額措置を実施している。そうしたことから、市労連としては、今回の国における補助制度を利用した処遇改善を行わないことは、この間の市側対応と大きく矛盾するものであると認識している。

 本日、市側より示された考え方については、市労連として到底納得できるものではないことを表明するとともに、本日以降、保育士等の処遇改善については、大阪市として主体的に検討を行い、引き続き市労連との協議を行うことはもとより、市側の誠意ある対応を求め本日の団体交渉を終了する。

以上

 

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